一緒にやる力 ・ 力を理解する
「一緒にやる力」とは。集団の中で自分の居場所をつくる力
ごっこ遊びで役割をめぐって揉める。 順番待ちが難しい。 みんなの遊びに入りたいけれど入れない。 自分の意見ばかり言ってしまう。 逆に、 遠くから見ているだけで参加しない。
園や学校、 学童や地域活動。 集団の場で起こる子どもの姿は、 大人にとって判断が難しい瞬間が多くあります。 「協調性がない」 「空気が読めない」 と感じるとき、 子どもの中では何が起きているのでしょうか。
こんな場面、 ありませんか
公園で他の子たちが鬼ごっこをしている。 自分も入りたそうな顔をしているけれど、 遠くから見ているだけで動かない。 大人が「入っておいで」 と言っても、 首を振る。
園で、 ごっこ遊びの役割を巡って揉める。 「お母さん役は私」 「ぼくが先生役だ」。 自分の希望が通らないと、 泣いたり離れたりする。
学校で、 グループ活動になると固まる。 発表は得意なのに、 グループの中では一言も話さない。
学童で、 順番を待つのが難しい。 自分がやりたい気持ちが強く、 他の子が先にやっていることを受け入れられない。
これらの場面に共通するのは、 「集団の中での自分」 を、 子どもがまだ探している途中だということです。
NCSでは「一緒にやる力」 と呼ぶ
NCSでは、 子どもの力を「できる」 「つながる」 「たのしむ」 の 3 つのカテゴリで整理しています。 一緒にやる力は「つながる力」 の中の、 集団の場面に表れる力として位置づけられます。
一緒にやる力とは、 集団の中で自分と相手の存在を大切にしながら、 役割やルールを理解し、 協力して活動する力です。
教育心理学では、 協力 ( Cooperation ) や向社会的行動 ( Prosocial Behavior ) に関連する概念とされます。 ただ、 ミエタネではこれを「ただ大人の指示に従える力」 とは捉えません。 自分の意見を出すこと、 相手の意見を聞くこと、 役割を引き受けること、 時には譲ること、 すべてが含まれます。
よくある誤解 ─ 一緒にやる力は「大人の指示に従える力」 ではない
一緒にやる力について、 もっとも起こりやすい誤解は「言うことをよく聞き、 集団に合わせられる子」 を理想とすることです。
ただ集団に合わせるだけの子は、 一見「協調性がある」 ように見えます。 でも、 自分の意見を持たず、 流されているだけのことも、 同じ姿に見えてしまいます。
逆に、 自分の意見を強く持ちすぎて衝突する子は「協調性がない」 と見られがちです。 でも、 そうした子は他者と関わる準備がすでに整っていて、 関わり方の引き出しが少ないだけのことも多いのです。
集団に入れず一人で見ている子は「内気で困った子」 と思われがちです。 でも、 まず集団を観察してから入ろうとしている、 慎重な準備の段階の場合もあります。
一緒にやる力は、 集団に合わせる力でもなく、 集団に流されない力でもありません。 自分も相手も大切にしながら、 関わり方を選べる力です。
子どもの中で起きていること
集団に入れない子の中では、 必ずしも「関わりたくない」 という気持ちが動いているわけではありません。 多くの場合、 むしろ強く関わりたいけれど、 入り方がわからない状態です。
理由はいくつかあります。
ルールが見えない、 もしくは複雑すぎる。 失敗して恥ずかしい思いをするのが怖い。 自分の希望が通らない経験が続いていて、 主張を控えている。 刺激や情報が多すぎて、 整理が追いつかない。 過去に「無理に入れられた」 経験があり、 大人の介入に身構えている。
これらは、 性格の問題ではなく、 経験の重ね方の問題です。 同じ子でも、 環境が変わると参加の仕方が変わることがあります。
大人が見つけたいサイン
一緒にやる力を観察するとき、 「集団に溶け込んでいるか」 だけでなく、 関わり方の多様な姿を見たいところです。
- 集団のルールを理解しようとしているか
- 役割を持つと参加しやすくなるか
- 順番や交代を意識できるか
- 自分の意見を伝えられるか
- 他の子の意見を聞こうとするか
- 参加の仕方に、 その子なりのペースがあるか
- 一度見てから入る、 という選び方ができるか
- 困ったときに大人や友達に助けを求められるか
これらは、 すべての子が同じスピードで身につけるものではありません。 個性とも言える違いがあります。 大切なのは、 その子なりの「入り方」 を見つけられるかです。
成長のステップ
一緒にやる力は、 段階的に育っていきます。
まずは、 集団を見ること。 遠くから観察したり、 動きを目で追ったりする時間が、 参加の準備になります。
次に、 近づくこと。 物理的に距離を縮める、 同じ場所にいる、 道具を手に持つ。 これだけで参加の入口に立てたことになります。
その次に、 小さな役割を持つこと。 「道具を運ぶ係」 「最初に並ぶ係」 「終わりを告げる係」。 大きな関わりでなくても、 集団の中での位置が決まるだけで、 安心して関われます。
そして、 一部だけ参加する段階。 全部のルールを覚える前に、 一部分だけ加わる。 これも立派な参加です。
その次に、 自分から関わる段階。 「入れて」 と言える、 自分から声をかける、 役割を選ぶ。
最後に、 みんなで決める経験。 自分の意見を出し、 他者の意見を聞き、 折り合いをつけて結論を出す。 ここまで来ると、 大人から見える「協力できる子」 になります。
各段階のスピードは、 子どもごとに違います。 戻ることもあります。 それでも、 長い目で見ると、 関わり方の引き出しは確実に増えていきます。
まとめ
一緒にやる力は、 子どもが集団に合わせる力ではありません。 自分も相手も大切にしながら、 関わり方を選べる力です。
集団になじめないように見える子も、 自分なりの入り方を探している途中かもしれません。 大人が「正しい入り方」 を急がず、 その子のペースに合った入口を見つけられるようになると、 子どもは少しずつ集団の中に自分の居場所をつくっていきます。
ここまでのあなたの回答
まだ回答が記録されていません。 本文中の問いに答えると、 ここに集約されて表示されます。
回答をふり返って、 短いレポートを生成します ( この端末内で完結します )。
あなたのレポート
この記事から見えてきたもの
明日のひとつ
回答はこの端末に保存されています。 Phase 2 では同意の上で運営に蓄積し、 AI による編集レポートに発展させていく予定です。